■寝過ぎは脳に良くない?
睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠の2つの睡眠状態で成り立っていて、一晩のうちに交互に繰り返します。
ノンレム睡眠の時には体と脳は休んだ状態になっていて、レム睡眠の時には脳は起きているとき以上に活動していると言われています。
ノンレム睡眠は睡眠の前半で多く出現し、レム睡眠は後半で多く出現します。ですが、睡眠時間が長くなってしまうとレム睡眠ばかりが多くなってしまい、睡眠のバランスが崩れてしまいます。
レム睡眠の時には脳は活発に動いている状態なので、レム睡眠が多くなってしまうと脳が十分に休むことができなくなってしまいます。
そのため、たくさん寝たはずなのに疲れが取れないといった状態になってしまうのです。
また、長時間横になっていることで血流が悪くなり、脳に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなってしまうこともあります。
■寝過ぎのデメリットは?
記憶力・学習能力が低下する
人は睡眠中に記憶を整理して定着させたり、学習能力を高めています。
深い睡眠の時には本や教科書の内容や思い出といったエピソード記憶を脳に覚えさせる作業をしています。
反対に浅い睡眠の時には水泳や自転車の乗り方といった動作を学習する作業をしています。
寝過ぎによって睡眠パターンが崩れてしまうとこうした記憶が定着しにくくなります。
ロンドン大学の調査では寝過ぎによって大脳が実年齢より7歳以上老化すると言われています。
寝過ぎは脳機能を低下させてしまうので、気を付けましょう。
体重が増える可能性がある
睡眠中は起きているときより体温が低くなります。体温を低くすることで体と脳をクールダウンさせ、疲れをとる働きがあるとされています。
睡眠中は体温と活動量が低下するのに伴い、カロリーの消費量も下がります。
睡眠時間が長くなると、その状態が長く続いてしまうため、日中の運動不足と相まって体重が増えてしまう可能性が高くなります。
さまざまな病気リスクが高くなる
睡眠時間が長くなることによって認知症や糖尿病といった病気リスクが高くなるという研究結果があります。脳や心臓に負担がかかってしまい、寿命が縮まる恐れもあります。
また、寝過ぎによって鬱のリスクを高めることも発見されています。
睡眠不足でもこれらの病気になりますが、寝過ぎている人のほうがリスクが高くなることがあります。
さらに、長時間横になっているため、体の負担も大きくなります。寝返りをあまりうたない人は肩や腰に負荷がかかり、腰痛や肩こりの原因になります。