韓国アイドル界の「専属契約解除の要求」ってどういう意味?
まず「専属契約」は事務所と所属タレントや所属アイドルの間で結ばれる業務委託契約のこと。
業務提携契約という言葉でも表現され、日本の場合は1年、3年、10年が一般的と言われています。
この契約はその事務所で専属的に芸能活動を行うことを意味するだけでなく、事務所側もその活動を支援するという契約になります。
特に韓国の芸能事務所は練習生時代から育成費用を事務所が負担しているケースが多く、「所属事務所が費用をかけて育てあげた所属アイドルの精算を行う」という意味も。
しかし、何らかの問題により「契約期間終了前に契約を解除したい」と考えることもあり、それが「専属契約解除の要求」で、双方が合意していない場合に使用されます。
専属契約解除が認められない韓国アイドルはどうなるの?
ご紹介したように専属契約を締結する際には事前に期間が決められているため、勝手に契約を解除することはできません。
韓国アイドルの多くは「7年契約」のため、この7年間はアイドル側からはもちろん、事務所側からも契約を不当に解除することはできません。
そのため専属契約解除が認められない場合は、裁判になってしまいます。
例えばアイドル本人が不祥事などを起こした場合は専属契約を解除するという事実上の「クビ」で収まりますが、「給料が安い」「もっと待遇を良くしてくれ」という理由の専属契約解除の要求はほぼ裁判に持ち込まれると考えておきましょう。
これまで専属契約解除を通知した人気韓国アイドルは?
■ジェジュン・ジュンス・ユチョン(東方神起)
専属契約解除を通知した人気韓国アイドルの中で、最も有名なのがジェジュン、ジュンス、ユチョンです。
3人は2009年、SMエンターテインメントに対し専属契約効力停止の訴訟を起こしました。
当時、契約期間や収益分配が大きな問題となり、これによってグループで分裂が起こる可能性があるため裁判所は「和解」を勧告。
3人は「契約内容に画期的な変更があるならば(和解する)可能性はある」としたものの、SMエンターテインメント側は「合意のもとで更新してきた」とし、最終的には裁判で争うことになりました。
その後、3人で「JYJ」を結成し、芸能活動を再開。
それでも国内はもちろん日本での活動まで制限され、大問題に発展しました。